ロリポップとエックスサーバー WordPressにはどちらが向いている?
WordPressでブログ運営しようと考え、レンタルサーバーの利用を検討される方は少なくないと思いますが、
その際に比較されることが多いのがロリポップとエックスサーバー(xserver)です。
ネット上の意見をみると初心者はロリポップ、サイトの規模が大きくなってきたらエックスサーバーという声が多いでしょうか。
ただ、ちょっと強引なのではないかと思うような意見もあります。
私自身、どちらのサーバーも利用しているのでわかりますが、確かにエックスサーバーは機能が豊富で使い勝手の良いサーバーです。
なので、特にサイト運営に慣れた方には好まれやすいのですが、
一方でロリポップは幅広いプランを展開しているため、初心者をはじめ上級者にも使いやすいサーバーなのですよね。
今回は、ロリポップとエックスサーバーを比較した上でのそれぞれのメリット・デメリットと、
WordPressを運営する場合にどちらを選べばよいかの目安についてお話ししたいと思います。
コスパ的にはロリポップが優れている
ロリポップとエックスサーバーとでは、提供されているプランの内容や価格が大きく異なります。
エックスサーバーに安価なプランがないのに対し、ロリポップは最小では月額110円という驚異的な安さのプランを提供しており、
安いプランでサイト運営を開始したい人にとってはロリポップの方が向いているといえます。
上位プランに関しても、同レベルのスペックや機能を持つプランを比較した場合、
エックスサーバーよりもロリポップの方が料金は安めです。
というとロリポップのほうが良いように思えますが、
エックスサーバーは最小プランでも比較的高機能で、下位プランであっても快適にサイト運営しやすいという特徴がありますので、
価格だけを見るのは意味がないといえるでしょう。
以下、2021年2月時点で公開されている各サーバーの月額費用です。
※掲載価格は税込みです。
【エックスサーバーの月額費用(36ヶ月契約の場合)】
X10 990円
X20 1980円
X30 3960円
【ロリポップの月額費用(1~36ヵ月契約の場合)】
エコノミー 110円
ライト 275円~
スタンダード 550円~
ハイスピード 550円~
エンタープライズ 2200円~
いずれのサーバーも契約期間によって月額料金が変化するため、必ずしも記載の通りではありませんが、
長期間契約した場合は上記のような割引価格となります。
エックスサーバーはX10と呼ばれるプランが最安であり、36ヶ月契約の場合だと990円であるのに対し、
ロリポップでは1か月110円からのプランが提供されています。
もちろん、安ければそれだけ機能が少なく制限も多いため、安いから良いとはなりません。
しかし選択の幅が増えるという点では、ロリポップは一部ユーザーにとってはメリットが大きいといえるでしょう。
安くサイト運営を開始したい人には魅力のサーバーだといえます。
エックスサーバーはロリポップほどの激安プランはないものの、下位のプランでもある程度以上のスペック・機能を提供しているため、
価格よりも性能や機能重視という人に向いているといえるでしょう。
エックスサーバーとロリポップの仕様について
以下、エックスサーバーとロリポップで提供されている各プランの仕様を簡単にまとめました。
なお、ロリポップでは現在5つのプランが提供されていますが、今回の記事はWordPressに向くサーバーというテーマであるため、
WordPressに対応していないエコノミープランは省いています。
エックスサーバー |
X10 |
X20 |
X30 |
月額(36カ月契約) |
990円(税込)
|
1980円(税込)
|
3960円(税込)
|
ディスク容量(SSD) |
200GB |
300GB |
400GB |
転送量の目安 |
150GB/日 |
180GB/日 |
200GB/日 |
データベース(MySQL) |
無制限
|
無制限
|
無制限
|
独自ドメイン |
無制限 |
無制限 |
無制限 |
簡単インストール |
対応 |
対応 |
対応 |
Webサイト高速化機能 |
対応 |
対応 |
対応 |
自動バックアップ |
対応 |
対応 |
対応 |
ロリポップ |
ライト |
スタンダード |
ハイスピード |
エンタープライズ |
月額(6~36カ月以上契約) |
275円(税込)
|
550円(税込)
|
550円(税込)
|
2200円(税込)
|
ディスク容量(SSD) |
100GB |
150GB |
320GB |
1TB |
転送量の目安 |
100GB/日 |
200GB/日 |
600GB/日 |
800GB/日 |
データベース(MySQL) |
1個
|
50個
|
無制限 |
無制限 |
独自ドメイン |
100 |
200 |
無制限 |
無制限 |
簡単インストール |
対応 |
対応 |
対応 |
対応 |
Webサイト高速化機能 |
対応 |
対応 |
対応 |
対応 |
自動バックアップ |
- |
- |
無料 |
無料 |
エックスサーバーはロリポップほど安くはないものの、下位プランでも高機能という印象があります。
一方でロリポップは、下位プランに関しては安いなりの機能制限があります。
上位プランはエックスサーバーに劣らず高機能です。
価格的には、ロリポップのほうがコスパがよいといえます。
エックスサーバーは全プランで機能重視
以下おおざっぱにではありますが、エックスサーバーの特長をまとめてみました。
【エックスサーバーの特長】
・全プランでMySQLが無制限
・全プランで独自ドメイン無制限
・大量アクセスに対応
・自動バックアップ全プラン無料
エックスサーバーの一番の特徴は、下位プランであっても高い機能を備えているという点です。
全プランでMySQLが無制限に利用できるだけでなく、
独自ドメイン(マルチドメイン)も無制限に利用できます。
また同時アクセス数を拡張する機能や
PHPやCGIによるCPU負荷を軽減する高速化のための機能も全プランに採用。
このような高速化機能は、WordPressのようなCMSを使う場合にメリットが大きいです。
あと、全プランで自動バックアップ機能が利用できるところも、エックスサーバーのプランの魅力。
具体的にはWeb・メールデータ「過去7日分」と、MySQLデータベース「過去14日分」の
データを自動でバックアップできます。
バックアップだけでなくデータの復元も無料で行えるなど、
バックアップ機能に関しては、ロリポップに比べると条件がかなり良いです。
ロリポップはコスト面での選択肢の幅が広い
次に、ロリポップレンタルサーバーの特長を簡単にまとめてみました。
【ロリポップの特長】
・価格が全体的に安い
・上位プランは大容量
・転送量にかなり余裕がある
・上位プランは大量アクセスに対応
・上位プランのみ自動バックアップ無料
何度も述べている通り、ロリポップはエックスサーバーのプランに比べると価格が安い傾向があります。
当ページに記載しているエックスサーバーの価格は、いずれも36ヶ月契約をした場合の価格であり、
最安で借りたいのであれば長期契約をする必要があります。
3年契約って結構長いですよね。
万が一止めたくなった時に困ります。
ですがロリポップの多くのプランでは、6ヵ月以上の契約で最安になります。
(ハイスピードプランに関しては、最安にする場合は36ヶ月契約をする必要があります)
短期間のレンタルで最安価格になるのは、ユーザーにとってレンタルするハードルが低いといえるのではないでしょうか。
あと、全プランで転送量に余裕があること、
また最上位のエンタープライズにおいては、ディスク容量が1TBとずば抜けて大きいです。
下のプランでもそこそこ余裕があるため、ある程度の機能のサーバーを使いつつもコストを抑えたい人にとっては重宝するはずです。
高速化に関しては、上位プラン「ハイスピード」と「エンタープライズ」はWebサーバーにLiteSpeedと呼ばれるソフトウェアを採用しており、
大量アクセスに強いという特徴があります。
大規模サイトの場合は上位プランを選ぶのが安全だといえるでしょう。
一方で「ライト」や「スタンダード」のWebサーバーには以前から使われているApacheが採用されており、
大量アクセスにはあまり強くはありません。
なので本来ならばWordPressに向いているとは言い難いのですが、
ロリポップでは「モジュール版PHP」を採用することで、WordPressの負荷を軽減する仕組みを採用しています。
上位プランほどの高速化は期待できないと思われるものの、
よほどのアクセスのあるサイトでなければ快適に利用することが可能です。
最後にバックアップについてですが、自動バックアップは「ハイスピード」と「エンタープライズ」のみ無料になります。
ただし復元が有料、しかも1回の復元費用がそこそこ高額になるんですよね。
なのでバックアップに関しては、無料でバックアップ&復元が行えるエックスサーバーに分があるといえます。
ロリポップで定期的なバックアップを考えるのであれば、
「7世代バックアップ」と呼ばれる有料オプションを追加するのが無難です。
「7世代バックアップ」は復元料金はかかりません。
ちなみに最上位の「エンタープライズ」では「7世代バックアップ」が無料で利用できます。
管理画面からの申し込みが必要であるため、「エンタープライズ」をレンタルした人は忘れずに「7世代バックアップ」を申し込みましょう。
ロリポップとエックスサーバー、どちらを選べばよい?
最後にまとめます。
月並みな意見となりますが…
・価格重視ならロリポップ
・安定性重視ならエックスサーバー
ロリポップには低価格なプランが提供されていますので、価格重視の人にはロリポップが向いています。
機能は制限されるものの、最近のロリポップは下位プランでも高機能になっており、コスパは確実に高いです。
ただWordPressでブログ運営するのであれば、最小でもスタンダード以上のプランを選ばれることをおススメします。
一方で安定性を重視したいのならエックスサーバーか、
もしくはロリポップの上位プランである「ハイスピード」や「エンタープライズ」を選ぶと良いでしょう。
これらのプランであれば、アクセスがあるサイトであっても快適に運営できるはずです。
あとバックアップ機能が欲しい人には、自動バックアップが無料で使えるエックスサーバーのプランか、
7世代バックアップが無料になるロリポップの「エンタープライズ」がおすすめ。
バックアップ機能付きできるだけ安く…という方は、エックスサーバーの下位プランを長期契約で借りると高コスパです。
なお、ロリポップもエックスサーバーも途中のプラン変更が可能です。
なので最初は安いプランから開始し、
サイトの状況を見てプランをグレードアップしていく方法がコストを抑えられて無駄がないと思います。
私自身、10数年ウェブサイトを作り続けていますが、
正直いってアクセスがものすごく多い大規模サイトって、
組織的にサイト運営しているのではない限りは簡単に作れるものではないため、
最初からそれほど神経質に考える必要はありません。
ただし、サーバーの引越し(ロリポップからエックスサーバー、またはその逆)は面倒ですので、
できれば最初に決めたサーバーで運営できるよう、どのサーバーが良いかを検討しましょう。
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