レンタルサーバー「Heteml」をオンラインストレージとして利用する手順について解説
Heteml(ヘテムル)は、ロリポップ!の運営会社である「GMOペパボ株式会社」が運営するハイスペックレンタルサーバー。
ロリポップで提供されているプランよりもやや価格が高いのですが、
ハイスペックを謳うだけあって性能が高く、ロリポップよりもスペックの高いサーバーを探している方に向いています。
私自身もHeteml(ヘテムル)の上位プランである「プラスプラン」を長年利用していますが、
使い勝手に不満は全くありません。
ただ容量が結構大きいため(下位のベーシックプランは容量200GB、上位だと300GB)、
そのディスクスペースが結構あまっているんですよね。
同じような方、おられるのではないかと思いますが、なんとなくもったいない感じがしますよね。
今回はそのディスク内のあまった容量を、オンラインストレージとして利用する方法をご紹介したいと思います。
Heteml(ヘテムル)がオンラインストレージに向いている理由
最近のレンタルサーバーは、価格が安いのにもかかわらずディスク容量は多い傾向にあります。
なので、サイトを複数運営していても容量がかなり余っている…なんて人、少なくないのではないでしょうか?
そのあまった容量を、自分のプライベートなファイルや写真を保存する「オンラインストレージ」として利用できれば無駄がありませんよね。
しかし、サーバー上に自分のプライベートなファイルを保存するのですから、セキュリティには気を使う必要があります。
また、オンラインストレージとして利用するのであれば、
ファイルの更新や削除を簡単に行えるかどうかという点も気になるところ。
具体的には、PCから直接サーバーのファイルを操作できる「WebDAV」という機能に対応しているかどうかで、操作性が大きく異なってきます。
WebDAVに対応していない場合、いちいちFTPソフトを利用してファイルをアップロードしなくてはならず、
オンラインストレージとしては使いづらいです。
その点、今回ご紹介しているHeteml(ヘテムル)は、
レンタルサーバーをオンラインストレージとして利用する場合に欲しい以下の機能を全て備えています。
・PCから直接サーバーのファイルを操作できる「WebDAV」に対応
・サーバー内に非公開領域が用意されている
・複数のFTPアカウントが作れる
WebDAVとはサーバー上に置いているファイルを、あたかもパソコン上にあるファイルのように扱える機能です。
通常、サーバーにはFTP機能を利用してアクセスしますよね。
しかしWebDAV機能を設定すれば、DropBoxやOneDriveなどのオンラインストレージのように、
レンタルサーバー上のファイルをパソコン上で操作することができるようになります。
これ、かなり便利な機能です。
パソコンの特定のフォルダ内のファイルを更新すると、サーバー上のファイルも自動で更新されるため、
FTPソフトでアップロードする必要がありません。
またサーバーアカウントのディレクトリ内に、一般からはアクセスできない非公開領域が設けられている点も
オンラインストレージとして利用するには理想です。
非公開領域のファイルへは外部からはアクセスできないため、安心してプライベートなファイルを置くことができます。
加えて複数のFTPアカウントが作成できるため、
複数人でオンラインストレージを共有するといった使い方も可能です。
一応触れておくと、
ロリポップも一部プランではWebDAVに対応しているため、オンラインストレージ的な使い方をすることは可能です。
ただ、非公開領域が用意されていないこと、また全プランでFTPアカウントを1つしか作れないため、
複数人でオンラインストレージを共有しづらいといった欠点があります。
レンタルサーバーをウェブサイトを公開するサーバーとして利用するほかに、オンラインストレージとしても利用したい…というのなら、
ロリポップよりもHetemlの方がおススメだといえるでしょう。
Hetemlをオンラインストレージとして利用する場合に頭に入れておきたいこと
まず最初に、Hetemlをオンラインストレージとして利用する場合に頭に入れておきたいことについて簡単に解説します。
Hetemlの非公開領域について
Hetemlではルートディレクトリに作成したディレクトリのうち、
「web」という名称のディレクトリ以下のファイルが外部に公開される仕様となっています。
Hetemlのルートディレクトリ
なので、外部に公開したくないファイルはwebディレクトリ以下ではなく、
ルートディレクトリ直下に新たに作成したディレクトリの中に保存するようにします。
webディレクトリ以外は非公開領域であるため、アクセス制限を設定しなくても外部には公開されません。
WebDAVの設定について
サーバー上のファイルを、パソコンのエクスプローラー上で操作できるようにする「WebDAV」について。
HetemlのWebDAV機能では、メインのFTPアカウント(もともとあるFTPアカウント)でオンラインストレージへアクセスする方法と、
新たにサブFTPアカウントを作成し、そのアカウントでオンラインストレージへアクセスする方法とがあります。
前者が、サーバー上のすべてのファイルにアクセスできるのに対し、
サブFTPアカウントでWebDAV機能を利用する場合、アクセスできる範囲を特定の領域のみに限定する事ができます。
・メインのFTPアカウント 全てのファイルにアクセスできる
・サブFTPアカウント 特定フォルダ内のファイルのみアクセスできる
以下の説明のように、メインのFTPアカウントは全てのファイルにアクセスできますが、
サブFTPアカウントでは特定フォルダ内のファイルにしかアクセスできません。
自分のみが利用する場合は、メインのFTPアカウントでWebDAVを設定しても良いでしょう。
ただしサーバー上のファイルはすべてパソコンに同期されますので、ファイル数が多いと同期に時間がかかることと、
パソコンのディスク容量を消費します。
一方でサーバー上の特定フォルダ内のみのファイルを複数人で共有したい場合や、サーバー上のファイルを全てパソコンに同期したくない場合は、
サブFTPアカウントを作成したうえでWebDAVを設定してください。
個人的には、サブFTPアカウントを設定するのが手軽だと思います。
手順1 Hetemlの管理画面でWebDAV設定を有効にする
Heteml(ヘテムル)をオンラインストレージとして利用するための設定方法について解説していきます。
まず、メインFTPアカウントでWebDAVを設定する手順について。
Web上で公開されているファイルも含めて、サーバーアカウント内にある全てのファイルにアクセスできるWebDAVの設定です。
Hetemlのコントロールパネルにログインします。
コントロールパネルの右側に表示されているメニューより、FTPアカウントをクリック。
FTPアカウントの設定画面が表示されます。
メインFTPアカウントの欄にある、「WebDAV」のタブをクリック。
メインFTPアカウントのWebDAVの設定内容が表示されます。
WebDAVの有効無効を設定する欄にある、有効のラジオボタンをオンにします。
WebDAVを有効にするかどうかを尋ねるポップアップが表示されますので、よければOKをクリック。
すると、メインFTPアカウントのWebDAVの設定内容の欄に「WebDAVアドレス」が表示されます。
パソコン側でのWebDAVの設定に必要となるため、コピーしておいてください。
WebDAVの設定にはこの「WebDAVアドレス」のほか、FTPユーザー名や、FTPパスワードも必要となりますので、必要に応じて取得しておいてください。
次に、サブFTPアカウントでWebDAVを設定する手順について解説します。
サブFTPアカウントでWebDAVを設定した場合、そのアカウントを利用しているユーザーは
サーバー上の特定のディレクトリ以下のファイルにしかアクセスできません。
なので、他人とサーバー上のファイルを共有する場合や、
サーバー上のファイルを全てパソコンに同期したくない場合は、サブFTPアカウントでWebDAVを設定します。
まずHetemlのコントロールパネルにログインし、右側に表示されている「FTPアカウント」というメニューより、
FTPアカウントの設定ページを開いてください、
FTPアカウントのページを開いたら、ページを下の方にスクロールします。
するとサブFTPアカウントという項目があるはずなので、
その項目に表示されている「サブFTPアカウントを作成する」ボタンをクリックします。
サブFTPアカウントの作成画面が表示されるので、ユーザー名やパスワード、ログインフォルダを入力します。
ユーザー名やパスワードは新たに決めてください。
ログインフォルダとは、作成するサブFTPアカウントがアクセスできるフォルダのことで、ルートディレクトリに自動作成されます。
今回適当に「aaaa」という名前のフォルダを作成してみました。
ここで作成した「aaaa」フォルダ内のファイルは、外部へ公開されません。
全てを入力したらWebDAVの項目を有効にし、下部の「新規作成」ボタンをクリックします。
再び、FTPアカウントの設定ページにある「サブFTPアカウント」の項目をみると、
さきほど作成したサブFTPアカウントの情報が表示されているはずです。
サブFTPアカウントの、WebDAVと書かれたタブをクリックします。
WebDAVの情報が表示されますので、その情報内にある「WebDAVアドレス」をコピーしてください。
パソコンでWebDAVの設定を行う際、「WebDAVアドレス」とサブFTPアカウントの「ユーザー名」、および「パスワード」が必要となります。
手順2 使用しているパソコンにWebDAVを設定する
次に、パソコン側の設定について。
ここではWindows 7と、Windows 10を搭載したパソコンでの設定について解説します。
設定の仕方は「メインFTPアカウント」、および「サブFTPアカウント」のいずれでも同じです。
まずはWindows 7搭載のパソコンから。
お使いのパソコンの設定によっては、表示されているグラフィックやメニューが異なる可能性があるため、大体の流れとしてご覧下さい。
スタートメニューに表示されている、コンピューターをクリックします。
するとコンピューターフォルダが開きます。
そのフォルダ内で右クリックするとコンテキストメニューが表示されますので、その中より「ネットワークの場所を追加する」という項目をクリックしてください。
ネットワークの場所の追加ウィザードが表示されますので、ウィザードに沿ってすすめます。
次へをクリック。
ネットワークを追加する場所を指定します。
「カスタムのネットワークの場所を選択」を選択し(最初から選択されていると思います)、次へをクリック。
インターネットまたはネットワークのアドレスを入力する画面が表示されるので、
先ほどHetemlのコントロールパネルでコピーした「WebDAVアドレス」を入力してください。
アドレスを追加したら、次へをクリック。
すると、ユーザー名とパスワードを入力するダイアログが表示されます。
各フォームに、Hetemlのコントロールパネルで取得できる「FTPユーザー名」や、「FTPパスワード」を入力してOKをクリックしてください。
「資格情報を記憶する」にチェックを入れておくと、次回よりユーザー名やパスワードの入力を省くことができます。
最後に、作成したネットワークの場所の名前を入力します。
自分が見てレンタルサーバー上の場所だと識別できるような、わかりやすい名前がおすすめです。
入力したら、次へをクリック。
ネットワークの場所が追加できました。
「完了をクリックしたときにこのネットワークの場所を開く」にチェックしていた場合、
完了をクリックすると、追加したネットワークのフォルダが開きます。
以下のように、コンピューターフォルダ内にも追加したネットワークのフォルダが表示されているはずです。
上記フォルダのショートカットなどを作り、デスクトップ上などアクセスしやすい場所に置いておくと便利です。
次に、Windows 10搭載のパソコンでのWebDAV設定について。
ますデスクトップ上のタスクバーからアクセスできる、エクスプローラーを起動します。
エクスプローラーを起動したら左メニューにある「PC」と書かれた項目をクリックし、PCウィンドウを開きます。
ウィンドウが開いたらウィンドウ内で右クリックし、
表示されるコンテキストメニューより「ネットワークの場所を追加する」をクリックしてください。
すると「ネットワークの場所の追加ウィザード」が開始されますので、Windows 7の時と同じようにウィザードに沿ってすすめてください。
Windows 7の場合と設定画面の内容はほとんど変わらないため、迷うことはないと思います。
説明は以上です。
設定後は、Hetemlのサーバーをオンラインストレージとして利用できるようになっているはずです。
作成したネットワークフォルダに保存したいファイルをコピーするだけで、サーバー上にも自動でアップロードすることができますし、
ファイルの削除や編集も簡単です。
ウェブサイトのサーバーとしてもオンラインストレージとしても使えるなんて、
とても便利なレンタルサーバーだと思います。
ただし、いくらHetemlのディスク容量が多いとはいっても限度があります。ファイルを入れすぎて容量が超過しないようにご注意ください。
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